【6】料金は無料。でもチップくれくれ!
前回の記事☟
前回の記事ではデリーを強制的に出発させられ、
ピンクシティと言われるジャイプルという街へ向かった。
現地に到着するや否や、会社のガイドと名乗る男性が車に乗り込んできた。
私たちは「ガイドはいらない!」というと、
彼はガイド料はツアーに含まれているから無料だと言いはった。
絶対に完全に無料ならと念を押し・・・渋々(ほぼ無理やり)了承した。
これから、アンベール城という世界遺産に行くと言う。
ガイドの彼は英語が堪能で、敷地内のことを詳しく教えてくれた。
(内容については・・忘れた!(潔い笑)なんせ4年前のことで、日記に書き留めていなかった)
案内が終わり、
ガイド料が無料と聞いていた私たちはあることを忘れていた。
それは、チップだ。
「チップをくれ!」(しかも、なかなかいい金額の指定つき)
とガイドの男性に言われた私たちは、
「無料って言ったじゃん!しかも勝手に車に乗ってきたくせに!」と抗議した。
思い返すと、私たちがチップ制度のことを忘れていたのが悪かった。
日本にはチップの制度がないので、海外へ行くと忘れがちなのだ。
つまりこういうことだ。
ガイド料は無料(チップはたっぷりもらうけどな)
今回は私たちに落ち度があったので、
「地球の歩き方(インド)」でチップの相場を確認した。
・・・・・
私たち:「これどうぞ」(相場のチップを差し出す)
ガイドの男性:「足りない!もっとくれ!いいサービスしたじゃないか!写真もたくさん撮ったじゃないか!」
私たち:「・・・ごめんなさい(相場の金額お渡ししたからいいでしょ泣)」
この押し問答が10分は続いただろうか。
ガイドの男性は呆れて?怒って?車から降りて行った。
後味の悪い観光となった。
チップに関しては賛否両論あるので、
知識があまりない私が語るのは少し気が引けるのだが、
(欧米やアメリカではほぼ義務でありマナーであるということも聞く)
今回の件は、どうだろう。
チップを忘れていた私たちはそれを認め、
きちんと相場のチップをお支払いした。
それでもそれよりはるかに高い金額を提示してきた男性に、
私たちは断っても良いのではないか。
それに腹を立てるのなら、最初から「ガイド料は無料」などと言わなければいいのだ。
こっちもあっちも気分悪く終わる必要などなかったじゃないか。
インドではこのようなバトルが今後相当回数起こる。
ただ、残念ながらそれは仕方のないことなのだ。
2019年のこと。
東南アジアを周っていた時、
料金やチップをぼったくろうとする人々にたくさん出会ってきた。
私は大人げのないことに、彼らに対し「怒る」という選択肢をとっていた。
ぷんすか怒っていた私に、一緒に旅をしていた彼(元カレ)はこんな感じのことを言った。
「彼らには生活がかかっている。俺たちは(ぼったくることが)良いか悪いか、でその人たちのことを判断しているけど、彼らには家族の生活がかかっている。もし俺が家族を養う立場にあったとしたら、家族を守るためにはそうするだろうね。明日生きるか死ぬかの世界で、良いか悪いか、そんなことは考えられない。」
(私自身で勝手に解釈した部分もあるかもだけど)
と。
怒っていた私は情けなくなった。
私はとてつもなくいい環境にいることを思い知らされたのだ。
ぼったくろうなどと考えなくても、働けば生活できる給料を手に入れることができる。
食べたいものを食べ、着たい服を着、生活に困ったことのない私に、
彼らの気持ちなど分かるはずもないのだ。
(インドを旅したのが2016年のことだから・・・
それまではぼったくる人には怒っていたことになる。)
さて、今日の観光を終えた私たちは宿へと向かった。
・・・恐怖の館へと化すとはこの時はまだ知らなかった。